仏教の中には、宗派というグループ別れがあります。詳細に分かれた数は無数と言われますが、一般的に宗派というと、明治政府が公認した13周56派を指すことが多いようです。
この記事では、宗派は何のために分かれて、どんな意味があるのかを解説します。
目次
💡 仏教の13宗
13宗は以下です。
系統 | 宗派名 | 開祖 | 主な本山 |
奈良仏教系 | 法相宗 | 道昭 | 興福寺、薬師寺 |
律宗 | 鑑真 | 唐招提寺 | |
華厳宗 | 審祥 | 東大寺 | |
密教系 | 真言宗 | 空海 | 金剛峰寺 |
密教系、法華系 | 天台宗 | 最澄 | 延暦寺 |
法華系 | 日蓮宗 | 日蓮 | 久遠寺 |
浄土系 | 浄土宗 | 法然 | 知恩院 |
浄土真宗 | 親鸞 | 西本願寺、東本願寺 | |
融通念仏宗 | 良忍 | 大念仏寺 | |
時宗 | 一遍 | 清浄光寺 | |
禅系 | 臨済宗 | 栄西 | 妙心寺、建仁寺 |
曹洞宗 | 道元 | 永平寺、総持寺 | |
黄檗宗 | 隠元 | 万福寺 |
「自分の家はここだ」とか、なじみのある名前もありますね。
💡 何のための宗派か
仏教の教えというのは膨大なもので、さらにその中から、人によってそれぞれ異なる処方を行うものでした。これを「対機説法」といいます。
機(各人の心の状態)に応じて、法(適切な教え)を説かれているのがお釈迦様なのですが、対機説法なるがゆえに「この人にはこう言われているのに、なぜこの人にはこう勧められたんだろう」ということになりました。
ある人には「右に行け」、またある人には「左に行け」と、まるで正反対のことを述べられる場合もあり、後世の人たちはこれらの仏典に戸惑いながらも「いったい釈迦の本心はどこにあったのだろう」と考えて、解釈を生み出していったのです。
仏教は「苦を克服して真の幸せになるための知恵」が説かれています。しかし、幸せになるための思想の解釈の違いによって現在のような多数の宗派が生まれたということです。
💡 お寺にとっての宗派
したがって、お寺や僧侶にとってみずからの宗派は、よそとライバル同士とか、そういった関係ではありませんが「自身がよりどころにしているセオリーなので、軽く考えることはできない」というマインドでいるんです。
「どこの宗派のお経でも読むお坊さん」があてにならないのはそういうわけです。